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筋膜ユニットとは、筋肉そのものだけでなく、筋肉を包む「筋膜」、関節の動きを感じ取る「センサー(関節固有受容器)」、骨と骨を繋ぐ「靭帯」、筋肉と骨を繋ぐ「腱」、そして血液や栄養を運ぶ「血管(リンパ管も含む)」といった、体中のさまざまな要素が、解剖学的(体のつくりとして)にも機能的(働きとして)にも深く繋がり、影響し合っている状態を指します。
最近の研究(Int J Mol Sci. 2023)では、特に筋膜が単なる膜ではなく、体にとって非常に重要な「感覚システム」として機能していることが明らかになってきています。
それは、私たちが体を動かすとき、単に筋肉が収縮するだけでなく、筋膜が持つ様々な役割が、その動きを効率的でスムーズなものにしているからです。
全身の情報をキャッチするセンサー: 筋膜の中には、関節が今どの位置にあるか、どのくらい動いているかといった情報を脳に伝える、非常に敏感なセンサーが埋め込まれています。このセンサーからの情報が正確であればあるほど、脳は体に適切な「動きの指令」を出すことができます。
動きを滑らかにする潤滑油: 筋膜は、筋肉同士や他の組織がスムーズに滑り合うための「潤滑油」のような役割も果たしています。筋膜が硬くなったり、他の組織とくっついてしまったりすると(これを「癒着」と呼びます)、体の動きはぎこちなくなり、痛みを感じやすくなります。
体のあらゆる要素を繋ぐネットワーク: 筋膜は全身を網の目のように覆っているため、どこか一部に問題が生じると、その影響は体全体に波及することがあります。逆に言えば、筋膜を整えることで、離れた部位の不調も改善する可能性があるのです。
つまり、筋膜ユニットは、体がどのように動き、どのように感じるかを決定づける、非常に洗練されたシステムなのです。筋膜、筋肉、神経、血管などが一体となって機能することで、私たちは軽やかに動いたり、体の状態を正確に感じ取ったりすることができます。
もし、体が重い、だるい、痛みがあるといった症状がある場合、この筋膜ユニットのどこかに「ずれ」や「硬さ」が生じているのかもしれません。筋膜ユニットのバランスを整えることで、体本来の軽やかさや快適さを取り戻すことができる可能性があります。
体が重い、だるい、特定の部分が痛む…そんな経験はありませんか? マッサージやストレッチをしても一時的に楽になるだけ、という場合、その原因はもしかしたら筋膜(きんまく)にあるかもしれません。
私たちの体を包む「筋膜」は、普段はとてもしなやかで、筋肉や組織がスムーズに動くのを助けています。しかし、次のようなことが続くと、筋膜はトラブルを起こしてしまいます。
同じ姿勢での作業(例:長時間座りっぱなし、猫背)
特定のスポーツや繰り返しの動作(例:テニスや野球での同じ動き、重い荷物を運ぶ仕事)
このような負担が続くと、筋膜の中では「炎症」が起こることがあります。普段、炎症は一時的なもので、すぐに治まるものですが、上記の負担が繰り返されると、体は「もっと頑丈にしなきゃ!」と頑張りすぎてしまいます。その結果、コラーゲンという成分が過剰に増えて、筋膜が硬く、分厚くなってしまうんです。これを「線維化(せんいか)」と呼びます。
筋膜が線維化して硬くなると、体に様々な悪影響が出てきます。
神経の動きが悪くなる: 筋膜の周りの神経が硬い筋膜に締め付けられ、スムーズに動けなくなります。神経がうまく働かないと、脳への情報伝達が滞り、体の感覚が鈍くなったり、逆に痛みを感じやすくなったりします。
滑りが悪くなる: 筋膜の層と層の間には、ヒアルロン酸という成分が含まれていて、これが潤滑剤のように滑りを良くしています。でも、筋膜が硬く分厚くなると、このヒアル酸の働きも悪くなり、層と層の滑りが阻害されてしまいます。想像してみてください、まるでサビついた機械のように、体もぎこちなく、重く感じるようになるんです。
(Int J Mol Sci. 2023による)
体がだるい、動きにくい、痛みがある…そんなお悩みの裏には、全身を包む「筋膜(きんまく)」のトラブルが隠れているかもしれません。
筋膜は、体の中のあらゆる組織をスムーズに動かすための「滑り台」のような役割をしています。この滑りを良くしているのが、筋膜の中にあるヒアルロン酸という成分。普段はサラサラとした液体で、筋膜の層と層の間をスムーズに滑らせています。
しかし、長時間の同じ姿勢や、繰り返し行う動作、過去の怪我などが原因で、この筋膜に負担がかかり続けると、困ったことが起こり始めます。
ヒアルロン酸の「ベタつき」: 筋膜に負担がかかると、ヒアルロン酸が本来のサラサラとした状態を失い、まるでノリのようにドロドロと粘度が上がってしまいます(Bioengineering (Basel). 2023)。こうなると、筋膜の層と層がスムーズに滑り合えなくなり、動きがぎこちなくなったり、引っかかりを感じるようになります。
筋膜の「硬さ」: さらに、体の中には線維芽細胞(せんいがさいぼう)という細胞があります。この細胞は、傷ついた組織を修復するためにコラーゲンなどを作り出す、大切な役割を担っています。しかし、筋膜への負担が長く続くと、この線維芽細胞が「働きすぎ」てしまうのです。一時的に働くのは良いことなのですが、慢性的に働き続けてしまうと、コラーゲンを過剰に作り出し、筋膜がどんどん硬く、厚くなってしまいます(Nat Rev Mol Cell Biol. 2024)。これが「線維化(せんいか)」と呼ばれる状態です。
筋膜がベタついたり硬くなったりすると、以下のような不調につながります。
動きがぎこちなくなる: 筋膜の滑りが悪くなることで、関節の動きが悪くなったり、筋肉がスムーズに伸び縮みできなくなります。
重だるさを感じる: 体全体が硬く、動きにくくなることで、常に重い鎧を着ているかのようなだるさを感じることがあります。
痛みが続く: 硬くなった筋膜が神経を圧迫したり、周りの組織と癒着することで、痛みの原因となったり、痛みが長引きやすくなったりします。
あなたの体が感じる「だるさ」や「重さ」、そして長引く痛みは、筋膜が「もう限界!」とSOSを出しているサインかもしれません。筋膜の状態を整えることで、体本来の軽やかさと快適さを取り戻すことができる可能性があります。
脳卒中によって、体の片側が動きにくくなると、その部分の筋肉はうまく使われなくなります。すると、体全体を包む筋膜も影響を受け、次のようなことが起こります。
「使われない」ことでの変化: 動かしにくくなった側の筋膜は、水分が減って柔軟性が失われ、硬くなりやすくなります。まるで使われない道具がサビついていくように、筋膜もだんだん動きが悪くなってしまいます。
「炎症」と「線維化」: 体の機能が低下した状態が続くと、筋膜の中では目に見えない小さな炎症が起きやすくなります。この炎症が長く続くと、筋膜が「もっと丈夫にならなきゃ!」と頑張りすぎて、コラーゲンという成分を過剰に作り出してしまいます。その結果、筋膜がどんどん硬く、分厚くなってしまうのです。これを「線維化(せんいか)」と呼びます。
この筋膜の線維化が起こると、体がスムーズに動かせなくなったり、重だるさを感じたりする原因になります。
脳卒中後、動かしにくい側をかばうために、もう片方の元気な側(健側)をより多く使うようになります。
「健側」への負担増: 例えば、右半身が動きにくい場合、左半身だけで起き上がったり、歩いたりすることが増えます。これは、元気な方の体にとって大きな負担になります。
「脳の学習」による癖: 体は賢いので、痛い方や動きにくい方をかばって動く「癖」を覚えてしまいます。この偏った動きが長く続くと、脳の中でその動きのパターンが「正しい」と認識されてしまい、無意識のうちにその動きを繰り返すようになります。
「体の歪み」の発生: 片側ばかりを使うことで、体の左右のバランスが崩れていきます。例えば、骨盤が傾いたり、肩の高さが違ったりといった「歪み」が目に見える形で現れることがあります。この歪みがさらに体の動きを制限し、別の場所の痛みにつながる悪循環を生むこともあります。
このように、脳卒中後の体の動きにくさは、筋膜の硬さや、偏った体の使い方が原因で起こる「歪み」と深く関係しています。これらの問題を理解し、適切なケアを行うことが、より快適な生活を取り戻すための大切な一歩となります。
これは、麻痺による歩き方の異常が、あなたの体の中で「脊柱(背骨)の歪み」と「筋膜(きんまく)のトラブル」という、気づきにくい悪循環を引き起こしているからかもしれません。
麻痺があると、私たちは無意識のうちに、動かしにくい側をかばって歩こうとします。
左右の不均衡な使い方: 例えば、右足に麻痺があると、左足により体重をかけたり、左側を大きく使って体を動かそうとします。
脳が「新しい歩き方」を記憶: この偏った歩き方が毎日繰り返されることで、脳はそれを「正しい歩き方」として覚えてしまいます。
背骨の歪み: 結果として、体にかかる負担が左右で不均等になり、時間をかけて背骨が少しずつ歪んでいきます。この歪みは、見た目だけでなく、体の重心やバランスにも影響を与え、さらに歩きにくさを助長してしまうのです。
背骨が歪むと、その周りにある筋膜にも大きな影響が出ます。
筋膜の「引っ張り」と「たるみ」: 歪んだ背骨によって、ある部分の筋膜は常に引っ張られて硬くなり、別の部分の筋膜はたるんでうまく機能しなくなります。
筋膜の「癒着」: 負担がかかり続ける筋膜は、水分が失われてベタつき、周りの組織とくっついてしまう「癒着(ゆちゃく)」を起こしやすくなります。癒着した筋膜は、さらに体の動きを制限し、ぎこちなさを増してしまいます。
悪循環の始まり: 筋膜の癒着や硬さは、さらに背骨の歪みを悪化させ、それがまた筋膜に負担をかける…という悪循環に陥ってしまうのです。
この「背骨の歪み」と「筋膜のトラブル」が合わさることで、麻痺による歩きにくさがなかなか改善されないだけでなく、全身の重だるさや新たな痛みにつながってしまうこともあります。
歩けるようになったからといって、体の異常な使い方を放っておくと、こうした問題がどんどん蓄積されてしまいます。麻痺による歩行の異常を根本から見直し、背骨と筋膜の状態を整えることで、よりスムーズで快適な歩行、そしてより自由な毎日を取り戻すことが可能になります。
脳卒中を経験された後、「腕や足がなんだか突っ張る」「体がガチガチに固まって動きにくい」と感じることはありませんか? これらは、一見同じ「体のこわばり」に見えても、実は脳と筋膜、二つの異なる原因が複雑に絡み合って起こっているんです。この状態を理解することが、より良いリハビリへの第一歩になります。
脳卒中によって脳がダメージを受けると、筋肉に送られる指令のバランスが崩れることがあります。例えるなら、脳の中の「ブレーキとアクセル」のバランスがおかしくなってしまう状態です。
アクセル踏みっぱなし!: 通常、筋肉は動く時と休む時に、脳からの適切な指令で力を緩めたり入れたりします。しかし、脳卒中後は、筋肉を緩めるためのブレーキが効きにくくなり、常にアクセルが踏みっぱなしの状態になってしまうことがあります。これが「痙縮(けいしゅく)」と呼ばれる状態です。
本人の意思とは関係なく: 痙縮によるこわばりは、あなたが「力を抜こう」と思っても、なかなか抜けないのが特徴です。まるで勝手に筋肉が突っ張ってしまうような感覚で、日常生活での動きを非常に困難にします。
脳卒中後の体のこわばりには、脳だけでなく、全身を包む「筋膜(きんまく)」も深く関わっています。
使わないことによる「ベタつき」と「硬さ」: 麻痺した側の手足は、どうしても動かす機会が減ってしまいます。すると、その部分の筋膜は、水分が失われて柔軟性が低下し、まるでサビついた機械のように硬く、滑りが悪くなります。
「ノリ」のような癒着: さらに、筋膜の層と層の間にあるヒアルロン酸という潤滑剤が、ドロドロの「ノリ」のように粘り気を増してしまうことがあります。これにより、筋膜同士がガッチリとくっつき合ってしまい、動きを妨げます。これが「癒着(ゆちゃく)」です。
頑丈になりすぎる「線維化」: 長く動かない状態が続くと、体は「この部分を頑丈にしよう」と誤解して、コラーゲンという成分を過剰に作り出してしまいます。その結果、筋膜がどんどん分厚く、硬くなってしまうんです。これを「線維化(せんいか)」と呼びます。
脳卒中後の過緊張は、多くの場合、この「脳からの痙縮」と「筋膜の癒着・線維化」が同時に起こっている状態です。
悪循環の発生: 痙縮によって筋肉が常に突っ張っていると、筋膜も引っ張られて硬くなりやすくなります。逆に、筋膜が硬く癒着していると、脳からの「力を抜け」という指令が伝わりにくくなり、痙縮をさらに悪化させてしまうこともあります。
リハビリの難しさ: どちらか一方だけをケアしても、根本的な改善にはつながりにくい場合があります。例えば、脳からの痙縮を抑える薬を使っても、筋膜の硬さが残っていると、体の動きはスムーズになりにくいのです。
この二つの原因が混じり合った「こわばり」の状態を理解し、それぞれに合ったアプローチでケアしていくことが、脳卒中後の体と動きを取り戻す上で非常に重要になります。
脳卒中後に腕や足が突っ張ったり、体がガチガチに固まったりする「こわばり」を感じていませんか? このこわばりは、実は脳からくるものと、全身を包む「筋膜(きんまく)」からくるものの二種類が混じり合っていることがほとんどです。
一般的なリハビリでは片方だけをケアしがちですが、モビライゼーションPNFは、この両方のこわばりに同時にアプローチすることで、より効果的に体を楽にしていきます。
脳卒中で脳がダメージを受けると、筋肉への指令がうまくいかなくなり、筋肉が勝手に突っ張ってしまうことがあります。これが「痙縮(けいしゅく)」と呼ばれる脳からのこわばりです。
モビライゼーションPNFでは、この脳のアンバランスを整えるために、以下のように働きかけます。
神経の「スイッチ」を入れ直す: セラピストが体に適切な抵抗を加えたり、動きを優しく誘導したりすることで、普段使われていない脳や脊髄の神経回路に刺激を与えます。これにより、脳が麻痺した側の体を再び意識しやすくなり、筋肉への正しい「動け!」という指令が届きやすくなります。まるで、途切れていた電線をつなぎ直すようなイメージです。
脳への正しいフィードバック: 筋肉や関節のセンサーから脳へ送られる情報が正確になることで、脳が体の状態をより正しく把握できるようになり、過剰な緊張をコントロールしやすくなります。
脳卒中後に動きが減ると、筋膜は硬くなったり、周りの組織とくっついたり(癒着)、さらには分厚く線維化してしまったりします。これが、もう一つの「こわばり」の原因です。
モビライゼーションPNFは、この筋膜のこわばりも、非常に効果的に改善します。
筋膜の「ベタつき」をサラサラに: 筋膜の層と層の間に、ドロドロになったヒアルロン酸という潤滑剤がある場合、これをサラサラの状態に戻すように働きかけます。優しい圧迫や引き伸ばしを組み合わせることで、筋膜の滑らかさを取り戻します。
「硬い鎧」のような筋膜を柔らかく: 痛みのある場所に直接触れることなく、安全な部位から筋膜の繋がりを利用してアプローチします。これにより、長年の負担で硬く、分厚くなってしまった筋膜を、まるで頑丈な鎧を脱ぐように優しく剥がし、柔軟性を取り戻していきます。
体全体の「繋がり」を改善: 筋膜は全身で繋がっているので、特定の動きや抵抗を加えることで、離れた場所にある硬くなった筋膜や弱った筋肉にも良い影響を与え、全身のバランスを整えます。
モビライゼーションPNFは、麻痺した手足へのアプローチだけでなく、体の中心となる体幹筋群や、体の深部にあるインナーマッスルの筋力強化も可能です。
脳卒中後は、体の軸となる部分が不安定になりがちです。体幹筋群やインナーマッスルは、姿勢を保ち、手足の動きを安定させるために非常に重要です。モビライゼーションPNFでは、全身のつながりを利用した抵抗運動や動きの誘導を通じて、これらの深部の筋肉に効率的に刺激を与え、眠っていた力を引き出します。
これにより、体の土台がしっかりとし、歩行や立ち上がりなどの日常生活動作がより安定し、スムーズに行えるようになります。
モビライゼーションPNFは、脳卒中後の「脳からくるこわばり」と「筋膜からくるこわばり」の両方に対応し、さらに体幹やインナーマッスルの強化まで行う、専門的なアプローチです。この「多角的アプローチ」によって、あなたの体が本来持っているしなやかさや動きやすさを引き出し、日常生活をより楽に、そして快適に過ごせるようサポートします。
「体が突っ張ってつらい」「もっとスムーズに動きたい」そう感じているなら、モビライゼーションPNFが新しい可能性を開いてくれるかもしれません。
柳澤 健監修、新井光男著、「モビライゼーションPNF」、 メディカルプレス出版株式会社、2009.
脳卒中後に麻痺が残り、せっかく歩けるようになっても「体が傾く」「足がうまく上がらない」「歩くのがぎこちない」と感じることはありませんか? これは、麻痺による「歩き方の癖」が、背骨の歪みや筋膜(全身を包む膜)の硬さにつながり、さらに歩きにくさを悪化させているサインかもしれません。
残念ながら、この状態を放っておくと、せっかく回復した歩行能力も頭打ちになりがちです。しかし、諦める必要はありません。そこで注目されるのが、モビライゼーションPNFという特別なアプローチです。
脳卒中後、麻痺した側をかばうため、無意識のうちに元気な方の手足ばかりを使って動こうとします。この「偏った体の使い方」が長く続くと、以下のような問題が起こります。
背骨の歪み: 片側ばかりに負担がかかることで、背骨が徐々にS字に傾いたり、ねじれたりする「歪み」が生じます。この歪みは、体のバランスをさらに崩し、足の運びを悪くします。
筋膜の硬さ・癒着: 歪んだ背骨や偏った動きは、全身を包む筋膜にも過度な負担をかけます。常に引っ張られる筋膜は硬くなり(線維化)、動きにくい部分は周りの組織とくっついて(癒着)、まるでサビついた鎧を着ているかのように、体をスムーズに動かせなくしてしまうのです。
この「背骨の歪み」と「筋膜の硬さ・癒着」が、歩行のぎこちなさや、疲れやすさの原因となり、悪循環を生んでしまうのです。
モビライゼーションPNFは、この複雑に絡み合った問題を、脳と体の両方から改善していく画期的な手技です。
脳からの「正しい指令」を再教育(中枢系の促通): 麻痺した側は、脳からの「動け!」という指令がうまく伝わっていない状態です。モビライゼーションPNFでは、専門のセラピストが、体に適切な方向へ抵抗をかけたり、動きを優しく誘導したりします。これにより、普段使われていない神経の回路に刺激を与え、脳が麻痺した側の筋肉を再び意識し、「こんな風に動かすと効率的だよ」と正しい動き方を再学習できるように促します。これにより、足の振り出しがスムーズになったり、麻痺側の足に体重を乗せやすくなったりと、歩行に必要な脳と筋肉の連携が改善されていきます。
硬くなった筋膜を「リリース」し、体の歪みを改善: モビライゼーションPNFは、筋膜の繋がりを最大限に活用します。痛みのある部分に無理に触れるのではなく、そこから離れた安全な部位にアプローチしたり、ゆっくりとした全身の動きの中で力を加えたりすることで、硬く癒着した筋膜を優しく剥がしていきます。これにより、筋膜の「ベタつき」や「硬さ」が解消され、体の可動域が広がります。同時に、背骨の歪みも徐々に整えられ、体が本来持っている正しいアライメント(並び)を取り戻していきます。
眠っていた筋肉に「喝!」を入れ、歩く力をアップ(筋出力アップ): 偏った歩き方によってサボっていた筋肉や、麻痺で弱ってしまった筋肉に、モビライゼーションPNFは効果的に働きかけます。適切な抵抗運動を行うことで、これらの「眠っていた筋肉」を活性化させ、本来の力を引き出します。足を持ち上げる力や、バランスを保つための筋力が向上することで、より安定して、力強く歩けるようになるのです。
モビライゼーションPNFは、脳卒中後の麻痺による歩行の異常に対して、単なる対症療法ではなく、その根本原因である体の歪みや筋膜のトラブル、そして脳からの指令の乱れに多角的にアプローチします。この手技によって、あなたの体が持つ潜在能力を最大限に引き出し、よりスムーズで、安全で、快適な歩行、そしてより活動的な日常生活を取り戻すことが可能になります。
■名井幸恵,新井光男,上広晃子,清水ミシェル・アイズマン,田中良美,桝本一枝,柳澤 健:脳卒中後片麻痺患者の患側の骨盤の後方下制が患側上肢に及ぼす影響,PNFリサーチ.2(1): 27-31,2002.
■名井幸恵,新井光男,上広晃子,田中良美,柳澤 健,清水ミシェル・アイズマン:脳卒中後片麻痺患者に対する抵抗運動が肘関節可動域改善に及ぼす即時的効果,PNFリサーチ.6(1):21-24,2006.
■田中敏之,新井光男:脳卒中後片麻痺患者の骨盤への抵抗運動が起き上がり動作と歩行速度に及ぼす影響,PNFリサーチ.7(1):56-60,2007.
■清水幸恵,新井光男,上広晃子,小畑順一,桝本一枝,清水ミシェル・アイズマン,柳澤健:脳卒中後片麻痺患者に対する抵抗運動が肘関節可動域改善に及ぼす継時的効果,PNFリサーチ. 8(1): 7 -13 2008.
■上広晃子,新井光男,清水幸恵,小畑順一,桝本一枝,清水ミシェル・アイズマ,柳澤 健,村上恒二: 脳卒中後片麻痺患者に対する抵抗運動の介入が起き上がり動作に及ぼす効果,PNFリサーチ. 8(1):34 -39,2008.
■平下聡子,新井光男,桝本一枝,小畑順一,清水ミシェル・アイズマン,柳澤 健,清水 一:脳卒中後片麻痺患者に対する骨盤への抵抗運動が背臥位からの立位動作に及ぼす影響,PNFリサーチ.8(1):27-33,2008.
■新井光男: 中枢神経疾患のEBPT-PNF運動パターンと間接的アプローチに関するエビデンス,理学療法学,36(8) ,424-427,2009.
■ 新井光男. 痙縮筋に対する徒手的アプローチのエビデンス.理学療法.27(3).p451-456.2010
■平下聡子,新井光男,桝本一枝,清水ミシェル・アイズマン,柳澤 健,清水 一:脳卒中後片患者に対する骨盤への抵抗運動が背臥位から立位への起居動作に及ぼす効果―動作の観察的分析による所要時間短縮の検証―,PNFリサーチ.10(1):1-9,2010.
■ 柳澤真純,白谷智子,新井光男,他.脳卒中後片麻痺患者に対する骨盤運動パターン中間域での静止性収縮方向が歩行時間に及ぼす効果の差異.PNFリサーチ.11(1).p9-14.2011
■ 新井光男,他.脳卒中後片麻痺患者に対する固有受容性神経筋促通法の骨盤運動パターンの中間域での抵抗運動による静止性収縮が歩行時間に及ぼす効果.PNFリサーチ.11(1).p15-20.2011
■ 吉国貴子,新井光男,他.脳卒中後片麻痺患者に対するPNFパターン中間域での骨盤・肩甲骨静止性収縮促通運動が歩行時間に及ぼす効果.PNFリサーチ.11(1).p21-26.2011
■ 高野匠子,新井光男. 脳卒中後片麻痺患者の骨盤への抵抗運動が片脚立位時間に及ぼす影響. PNFリサーチ 16(1) 25-31 2016年3月
■ 重田有希,白谷智子,新井光男. 骨盤パターンにおける静止性収縮が脳卒中後片麻痺患者の歩行速度に及ぼす影響 ~用手接触による比較~. PNFリサーチ . 13(1) 44-49 2013.
■ 竹澤 美穂,白谷智子,新井光男. 脳卒中後片麻痺患者に対する骨盤後方下制のアプローチが座位前方リーチテストに及ぼす継時的影響. PNFリサーチ.13(1) 56-62 2013年.
■ 田中敏之,白谷智子,桝本一枝,宮原隆登,新井光男: 脳卒中後片麻痺患者に対する骨盤への中間域での静止性収縮手技が昇段能力に及ぼす影響,PNFリサーチ.17(1):1-5,2017.
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